エール近鉄八尾西口のお知らせ・ブログ
就職先:皮革製品修理業・技術職補助
年齢:30代
利用期間:約2年
「働きたいけれど、人と関わることが怖い」
「職場で周りの人とうまくやっていけるだろうか」
「自分の苦手なことを理解してもらえる職場があるのだろうか」
就職したい気持ちがあっても、このような不安から一歩を踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、**八尾市の就労移行支援事業所「エール近鉄八尾西口」**を約2年間利用し、皮革製品の修理を行う会社で、技術職補助として就職が決まったI・Aさん(30代)です。
利用前は、人との関わりや外出を億劫に感じ、「働くこと」に対して強い恐怖心があったというI・Aさん。
さらに、人との距離感や周囲の環境に強い不安を感じることもありました。
それでも、自分の困りごとをスタッフに相談し、必要な配慮を一緒に考えながら通所を継続。セミナーや資格学習にも少しずつ取り組み、できることを増やしていきました。
就職活動では書類選考がなかなか通らない時期も経験しましたが、以前から気になっていた求人に挑戦し、今回の就職につながりました。
「働くことが怖い」と感じていたところから、どのように就職まで進んでいったのでしょうか。
ご本人にお話を伺いました。

働くことに「恐怖」を感じていた利用前
――エール西口を利用する前は、どのような生活をされていましたか?
買い物に行くことや、人と関わることを億劫に感じていました。
働くことに対しても「恐怖」というイメージを持っていました。だんだん家にひきこもるようになって、精神的にもかなり余裕がない状態だったと思います。
当時は外に出ることだけでなく、人と接することそのものにも大きな負担を感じていたというI・Aさん。
そんな中、「このままではいけない」と考えるきっかけとなる出来事がありました。
「自分がなんとかしないと」就職を考え始めたきっかけ
――「就職したい」と思ったきっかけは何でしたか?
祖母が亡くなったことがきっかけです。
家庭の事情もあり、「自分がなんとかしないといけない」と考えるようになりました。
すぐに「働くことへの不安」がなくなったわけではありません。
それでも、これからの生活について考える中で、少しずつ就職を意識するようになりました。
その後、地域若者サポートステーション(サポステ)に相談し、担当者から紹介されたのがエール近鉄八尾西口でした。
人との距離が怖い。スタッフへの相談から見つけた「自分に合う環境」
エール西口の利用を始めてからも、I・Aさんには大きな不安がありました。
それが、人との距離感です。
――利用を始めた頃、不安だったことや大変だったことはありましたか?
人との距離感が不安でした。
自分の領域に人が入ってくることが怖くて、隣の人の持ち物が自分のスペースに入ってきたときなどに、強いストレスを感じることがありました。
それでしんどくなって担当スタッフに相談しました。
相談を受けたスタッフは、I・Aさんがどんな場面で負担を感じるのかを共有し、安心して訓練に取り組める方法を一緒に考えました。
その一つが、テーブル上に境界がわかるラインを設けることでした。
テーブルに「ライン(境界線)」をつけてもらえるようになってから、とても楽になりました。
苦手なことを、無理に「我慢する」「慣れる」で終わらせるのではなく、まずは何に困っているのかを相談する。
そして、環境を少し工夫してみる。
I・Aさんにとって、そうした経験も通所を続けるための大切な一歩になりました。
得意な訓練から始め、少しずつ苦手なことにも挑戦
――エール西口では、どのような訓練をしましたか?
主にセミナーに参加しました。
作業トレーニングやワークショップ、美文字練習には積極的に参加していました。
その後、SST(ソーシャルスキルトレーニング)やビジネスマナー、コミュニケーションセミナーなど、苦手な分野にも参加できるようになりました。
同時に、文書デザインやタイピング、色彩検定などの勉強もしました。
最初から苦手なことばかりに挑戦したわけではありません。
取り組みやすい訓練から始め、通所を続ける中で、少しずつコミュニケーションなどの苦手分野にも取り組めるようになっていきました。
通所は在宅訓練も含めて週5~6日。継続して訓練に取り組み、皆勤賞を受けたこともあったそうです。
MOSや色彩検定2級など、複数の資格を取得
I・Aさんは、約2年間の利用期間中、資格取得にも積極的に取り組みました。
取得した資格は、
- 文書デザイン1級
- MOS Word(Office 2019)
- MOS PowerPoint(Office 2019)
- MOS Excel(Office 2019)
- 色彩検定2級
など。
中でも、I・Aさんにとって印象に残っているのが色彩検定2級です。
――エール西口で学んだことで、今につながっていると感じることはありますか?
色彩検定を勉強して、2級を取ったことです。
それまで白黒で描いていた絵にも、色をつけられるようになりました。
資格を取得したことだけではなく、学んだことによって自分の表現にも変化が生まれました。
さらに、コミュニケーションセミナーなどへの参加も、I・Aさんの考え方に変化をもたらしたそうです。
セミナーに参加して、「相手の意見や話を聞く」ということや、「人それぞれなんだ」と考えられるようになりました。
「隣に人がいても大丈夫」少しずつ変わった人との距離感
――通所を続ける中で、「自分が変わったな」と感じることはありますか?
パーソナルスペースの範囲が縮まりました。
人との距離というより、「隣に人がいても大丈夫」と思える感覚になりました。
利用開始当初は、人が自分の近くにいることにも強い不安を感じていたI・Aさん。
約2年間の通所を通して、その感覚にも少しずつ変化が生まれました。
また、以前は床に落ちた物を拾うことや、外から物を自宅へ持ち帰ることにも抵抗があったそうです。
今は、ビニールやティッシュペーパーを使えば、落ちた物も拾えるようになりました。
賞状や作品などを家に持ち帰ることも難しかったのですが、今は自分が大切にしたい物なら、工夫して持ち帰れるようになりました。
「苦手なことをすべてなくす」のではなく、自分なりにできる方法を見つけていく。
それも、I・Aさんが通所を通して身につけていったことの一つです。
書類選考で不採用が続いた就職活動
訓練を重ね、いよいよ始まった就職活動。
しかし、最初から順調に進んだわけではありませんでした。
――今回の就職先が決まるまでの道のりを教えてください。
最初は在宅事務の仕事に応募していましたが、書類選考で全部ダメでした。
近場で求人を探していましたが、自分に合う求人がなかなか見つからなくて、合う・合わないに関係なく応募していた時期もありました。
リモート面接も受けましたが、なかなか決まりませんでした。
応募しても結果につながらない。
就職活動では、そんな時期が続くこともあります。
I・Aさんにとって、その時に安心につながったのが、困ったときにすぐ相談できる環境でした。
書類選考で落ちることが続いていましたが、すぐに相談できることが安心につながっていました。
以前から気になっていた「革製品の修理」の仕事へ
そんな中、I・Aさんが以前から気になっていた求人がありました。
それが、革製品の修理を行う会社の仕事でした。
以前から気になっていた求人だったのですが、ある日、母親からも「これどう?」と言われて、受けることになりました。
そして面接へ。
緊張から、自分の考えをうまく伝えられない場面もあったそうですが、支援員のサポートを受けながら面接に臨みました。
面接では、緊張してうまく言えなかったこともありました。
そのときに支援員がサポートしてくれたので、とてもよかったと思っています。
そして、皮革製品の修理に携わる技術職補助として採用が決まりました。
当初探していた在宅事務とは異なる仕事です。
就職活動を続けながら、自分が興味を持てる求人にも目を向けたことが、新しい仕事との出会いにつながりました。
就職後は「目標を持って仕事をしたい」
――勤務開始に向けて、意気込みを聞かせてください。
目標を持つことです。
何年後にどうなっていたいのか、自分はどうなっていたいのかを考えながら仕事をしたいです。
「就職すること」だけをゴールにするのではなく、その先の自分について考えながら働いていきたい。
I・Aさんは、新しいスタートに向けて、そんな目標を話してくださいました。
「働きたいけれど不安」という方へ
最後に、今まさに「働きたいけれど不安」と感じている方へ、I・Aさんからメッセージをいただきました。
「できそうな方は、まず人の顔を見てみることから始めてみるといいと思います。案外、相手は笑顔だったり、うなずいてくれたりして、話しやすく感じることがあります。
自分も最初はあまりできていませんでした。少しずつ、あいさつをしたり、人のほうを見たりすることを続けるのが大事だと思います。」
「自分も最初はできていなかった」というI・Aさんの言葉が印象的です。
大きな変化を一度に目指すのではなく、まずは自分にできそうな小さなことから始めてみる。
その積み重ねが、次の一歩につながることもあります。
「苦手」があっても、自分に合う方法を一緒に探すことができます
I・Aさんは、エール西口を利用する前、働くことに「恐怖」を感じていました。
人との距離感にも強い不安があり、周囲のちょっとしたことが大きなストレスにつながることもありました。
しかし、エール近鉄八尾西口でスタッフに困りごとを相談し、環境を調整しながら通所を継続。
取り組みやすい訓練から始めて、SSTやコミュニケーションセミナーにも参加し、資格取得にも挑戦しました。
そして約2年間の積み重ねを経て、皮革製品の修理に携わる技術職補助として就職することになりました。
就労移行支援を利用するために、最初から「働く準備ができている」必要はありません。
「人と関わることが苦手」
「働くことを考えると怖くなる」
「自分にどんな仕事が合うのかわからない」
「就職活動を一人で進める自信がない」
そんな悩みがあるからこそ、誰かに相談しながら、自分に合った方法を探していくことができます。
苦手なことを無理に我慢するのではなく、「どうすれば取り組みやすくなるか」を一緒に考えていくことも、就職に向けた大切な準備の一つです。
エール近鉄八尾西口では、一人ひとりの状況や特性、希望する働き方に合わせて、訓練や資格取得、就職活動などをサポートしています。
八尾市・近鉄八尾周辺で就労移行支援事業所を探している方や、「働きたい気持ちはあるけれど、今の自分にできるかわからない」と悩んでいる方は、まずは見学・相談から始めてみませんか?
「まだ就職できる自信がない」「利用するかどうか決めていない」という段階でも大丈夫です。
今困っていることや、これからどうしたいかをお聞きするところから始められます。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
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